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プロローグ:
中学生の頃、初めて家にパソコンが来た。初めてインターネットに繋がったときはダイアルアップ接続だったような気がする。当時携帯電話を持っていなかった私は、家にいながらにして誰かとコミュニケーションをとる方法はこのパソコンを使ったチャットやメールが主であった。そして、個人HPの作成が流行し、そこにはレンタル掲示板や、レンタルチャットが設置された。また、2014年3月26日に、サービスが終了したYahooチャットも賑わいを見せており、そこで多数の名前も顔も知らない誰かとチャットをした。現在ではインターネットにアクセス出来る端末が普及し、このようなコミュニケーションはより一般に普及したように思う。また、現在では、facebook等の普及により、インターネット上のコミュニケーションでも実名を使ったり、顔写真を公開した上でのコミュニケーションが行われ、インターネット上でのコミュニケーションは現実世界の延長に位置するものとなりつつあるが、私が中学生だったあの頃、インターネットでのコミュニケーションは正体不明の誰か、もっと言えば本当に実在しているかすらわからない者とのコミュニケーションであった。


動機:
インターネットを介したコミュニケーションに不可思議なものを覚えた。
この世界ではない別の世界と繋がっている感覚があった。
インターネットは異世界との扉であるように感じていた。
今では様々なwebを介するアプリケーション等の普及もあり、インターネットでのコミュニケーションはオープンなものに変化し、誰もが便利に使うツールとなった。
しかし、私は已然、インターネットを「場」として捉えている。
私にとってインターネットは得体の知れない何者かと交信する「場」であるのだ。
匿名性の高いインターネットでのコミュニケーションは対象の実態が掴めず、また、コミュニケーションの方式は間接的なものだ。
私は、それは霊や異世界との交信の方式と非常に近しい物であるように思い、本作品の制作を考えた。

作品概要:
Chatroom:Osorezanはwebサイト上でのコミュニケーション、また、現実空間とwebmサイトでのコミュニーケーションを恐山で行われる霊的交信、また、webサイトを霊的交信の「場」として捉え、それを基に制作した作品である。

概要・配置等

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